大自然の恩恵を受けて四季が移ろう島国。

南北に細長い日本は周りが海で囲まれ、国土の約75%が山地という自然に満ちあふれる島国。しかも太陽の周りを地球が公転することで、日光を受ける熱の違いによって四季が移ろう。桜が美しく咲き誇る“春”、日差しが照りつける“夏”、紅葉が見頃を迎える“秋”、冷たく澄んだ空気を感じる“冬”。風物の美しさに見惚れ、そして季節ごとの旬の味覚に舌鼓を打つ。脈々と受け継がれる大自然がもたらした恩恵が日本という国を豊かに。

japanese "omotenashi" fruits

日本では古くから日常生活の中にある
豊作祈願・疫病退散に想いを込める神事。

古来より多くの神事が行われてきた世界でも稀な国。道端にあるお地蔵様に手を合わせたり、近くにある寺院・神社にお参りに行ったりと、神事といっても決してかしこまったものではなく、普段の中で神様や日常に対して「ありがとうございます」という感謝の気持ちが日本人の根底に流れている。その神事の一つとして数えられる祭りは、農作物の豊作・疫病の退散を祈願するもの。1年を通じて行われる祭りは「祈り」「感謝」「願い」といった、日本人が生きるための想いが集約されている。18府県で行われる山車が巡業する「山・鉾・屋台行事」、岐阜県高山市で開催される「高山祭」をはじめ、祭りの数々がユネスコの無形文化遺産に登録され、海外からも多くの見物客で賑わいを見せている。

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気候と風土から生み出された保存法と
皿に四季が透けて見える盛り付けの美学。

1年を通して四季がある日本では、長期に渡って食料を保管するのが困難な地域も。それにより、魚なら干物・燻製・塩漬け・酢漬け、野菜なら漬物・寒干しと、先人の知恵によって生み出された保存方法が今もなお存在。約400年の歴史を持つ和歌山県はかつらぎ町の名物“串柿”を筆頭に、秋田県の“いぶりがっこ”、福井県の“鯖のへしこ”、京都府の“千枚漬け”など、各地域の気候と風土から導き出されたオリジナルな保存食は、舌の肥えた食通を魅了し続けている。その料理を盛り付ける美学があるのも特徴的。皿の上に春夏秋冬の景色が透けて見えるよう、彩りを添えて華やかかつ繊細に。味覚だけでなく視覚でも料理に楽しめるのが日本食の醍醐味でもある。

 

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家族やローカルとの密な関係を大切にする
強い絆こそが日本人のアイデンティティ。

日本人の基礎にある「自然の尊重」という言葉。四季や食もその一つながら、日本に暮らす者にとって忘れてはいけないのが家族や地域との密接な関わり。盆・正月になると生まれ故郷へと帰省して一家が集まり、祭りなどを通じてローカルのコミュニティを結びつける社会的習慣が根付いている。食卓を囲みながら団欒で食事を楽しみ、未曾有の困難に直面しても仲間で助け合う。その精神性が人と人を繋ぎ合わせ、絆に満ちた日本人のアイデンティティを形成している。
 

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「いただきます」と「ごちそうさま」

という食前・食後の言葉。
何気なく日本人が発する言葉にも

感謝の意が込められている。

食事を始める時と終わる時に発する「いただきます」と「ごちそうさま」。挨拶のように何気なく日常で使用している言葉にも、日本人ならではの真心の意が込められている。「いただきます」は敬意を表す“頭上に載せる”という動作が語源。肉や魚だけでなく、野菜や果物にも宿った“命”を“頂戴する”という意味合いで、食前に手を合わせる所作からも自然の恵への感謝を表現している。一方の「ごちそうさま」は漢字で書くと“馳走”との字が入る。これは客人をもてなすために馬を走らせ、食材の調達に奔走する者のこと。前後に“御”と“様”を付けることで、食材を収穫する生産者、その料理を仕立てた人への気持ちが内包されている。
 

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一年に二度、感謝の気持ちを

贈り物に託して伝える古来から続く

「お中元」と「お歳暮」という風習。

日頃の感謝の気持ちや健康を願う想いを、物に託して伝える風習が「お中元」と「お歳暮」。前者は中国にルーツがあり、同国では3人の天神様の誕生日である1月15日の上元、7月15日の中元、10月15日の下元に、人々はお祝いにお供え物を贈っていた。日本では先祖供養の行事“盆”の中で、迎え火・盆踊り・送り火といった様々な儀式があり、その中の一つである親や親戚などの間で供える品物のやりとりを行う“盆礼”と結びつき「お中元」という習慣に。後者は新年に年神へのお供え物を、年の暮れに家元へと持参する行事が元になっている。ともに江戸時代には一般的な風習として全国に広まり、明治30年(1897年)にはお世話になった人への贈り物を届ける現在の形となった。

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